MODE JAPAN Developer Blog

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実世界からのデータ収集の難しさとデータの到達保証

MODEのCEOの上田ガクです。 日本語でのMODE Debeloper Blogがスタートしたので、私もブログエントリーを書いてみたいと思います。

時を遡ること5年。MODE社を創業したのは2014年でした。当時シリコンバレーでは、IoT (Internet of Things)という言葉を耳にするようになりました。「モノのインターネット」とよく言われますが、人間だけでなく、いろいろな機械もインターネットにつながるというコンセプトだと聞いた瞬間、とても興奮したのを覚えています。

2014年当時、IoTデバイスというとスマート家電のことを指していました。空飛ぶ車と並ぶ人類永遠の夢である(?)「スマート冷蔵庫」が早速提案されていましたし、スマートドアロック、スマートエアコンなど、当時発売された商品は、家にいないときに操作できるというのが売りになっていました。

その頃、シリコンバレーのあるサンフランシスコ・ベイエリアは雨がさっぱり降らず水不足が深刻でした。そのため、庭の芝生などに水をまくスプリンクラーは1日おきにしか使えないというルールが決められ、違反すると$500の罰金を払わなければならなくなりました。

私の家のスプリンクラーの機械はダイアル式の昔ながらのもので、このような1日おきに動くような設定ができませんでした。そこでIoTデバイスを作ってみようと思い立って、スマートスプリンクラーを作り始めたのがMODE創業のきっかけでした。

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最初のIoTブームの頃は、遠隔からアプリで家電を制御するスマート家電を作る会社が次々に出ていました。しかし、それらの製品はなかなか広く普及することなく、それらを作っていた会社は1~2年で次々と姿を消していきました。家電の遠隔制御は未来的で面白い反面、実生活で役に立つ場面があまりなかったからです。

家電の遠隔制御で始まったIoTはそこで終わるかに見えました。しかし、他のブームと違って、IoTは形を変えて残りました。2017年頃からは、家庭用途ではなく、業務用途としてのIoTが主役の座についたのです。

  • 工場の生産ラインをつないで生産状況を知りたい。
  • 自動運転の車両の走行データを収集したい。
  • オフィスの仕事環境の騒音、温度、CO2のデータを集めたい。

など、現実世界にある機器やセンサーからデータを集めたいというニーズがIoTの中心になってきました。

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一見簡単そうに見える実世界からのデータ収集ですが、やってみるとこれが非常に難しいのです。

たとえばオフィスの環境を測定する場合、毎分センサーデータを集めるという作業を何ヶ月も連続で行います。ですが、何ヶ月も連続で運用すると WiFiがつながらなくなったり、インターネット接続が切れたりということが時々起こります。

普通のシステムなら、インターネットに繋がらなくないときは画面にエラーを出しておしまいですが、データの場合は人間が見ているわけでもなく、その期間のデータをエラーを出して捨てるというわけにはいきません。

自動車の例を見てみましょう。自動車は携帯電話回線を使ってインターネットにつないでデータを送ることができます。しかし、自動車が走るということは、トンネルに入ったり、郊外では圏外になったりと、常にインターネットにつながっているわけではありません。

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オフィスの近くのサンマテオブリッジは赤で囲ったあたりが携帯圏外

走行データを集める際、トンネルに入ったところは圏外なのでデータがありません、というのではデータが不完全になってしまいます。

もともとMODE社はIoTのクラウドプラットフォームを提供するという形ではじまりましたが、 ここまで例に挙げたような「実世界からのデータ収集の問題」を解決するために、センサーゲートウェイのソフトウェアの提供をはじめました。データを送る側と受け取る側の両方があることで、データを実世界からクラウドへ確実に送り届けるデータの到達保証が可能になったのです。

このデータの到達保証が実現できるたことで、例えば一時的にインターネット接続が切れていたとしても、接続が復旧したタイミングでデータをクラウドに送ることができます。自動車が圏外になったとしても、接続が戻ったタイミングでデータが送られ、その部分のデータも集められるようになりました。

実世界からのデータ収集には他にも様々な技術的チャレンジがあります。次回は集めたデータの格納についてお話したいと思います。

まとめ

業務用途でIoTを使うことはすなわち、業務に使っている機器から継続的にかつ確実にデータをクラウドに集めることです。集めたデータに欠損がでないようにするためには、データの送り側、すなわち、センサーゲートウェイとデータを受ける側のクラウドが協調して「データの到達保証」を実現することが不可欠です。