MODE JAPAN Blog

IoTを活用したデジタルトランスフォーメーションのための情報、開発の現場から技術的な情報や取り組みについてお届けします。

既存の群ロボットシステムをのIoT化が可能に!MODEロボットクラウドの群ロボットシステム対応機能について開発担当エンジニアにインタビューしました

MODEでは、2021年8月18日に「MODEロボットクラウド」群ロボットシステムに対応 〜既存の群ロボットシステムのIoT化が可能に 〜」というプレスリリースを発表しました。

news.tinkermode.jp

そこで今日は、MODEロボットクラウドの開発担当者である篠田 健にインタビューしました。

f:id:etoamode:20210817184024j:plain

既存の群ロボットシステムをのIoT化が可能に:開発の概要

そもそも「群ロボット」って何ですか?

これまでのMODEロボットクラウドでは、お掃除ロボットのルンバとか想像してもらえれば分かりやすいですが、一つ一つのロボットを単体のロボットとして管理するというようなモデルだったんです。

f:id:etoamode:20210817184118j:plain
お掃除ロボットイメージ

しかし群ロボットシステム対応のきっかけをくださったお客様のところだと、中央制御コンピュータみたいなものが現場にあって、それがたくさんのロボットを扱ってるんですよ。そのお客様の場合、倉庫の中を走り回って荷物をピックアップするロボットがたくさんあるんです。

f:id:etoamode:20210817184153j:plain
倉庫で働くロボットイメージ

このようにたくさんのロボットが協調して働くようなものを「群ロボット」と呼んでいます。それぞれのロボットは中央制御コンピュータと通信はするけれども、個別にクラウドに繋がるようなものではないのでロボットクラウドから各ロボットは見えないんですよね。

これまでのロボットクラウドだと、それぞれのロボット1台1台がクラウドと通信するのが前提なんですよね。しかし群ロボットだと、中央制御コンピュータが管理してるんで、ロボット1台ずつにクラウド通信用のソフトウェアを入れるのって難しいんです。実際にはクラウド通信用のソフトウェアはロボットの外側にあるんですよ。そして、クラウド通信用のゲートウェイと中央制御コンピュータがローカルエリアネットワーク(LAN)で通信して繋がって中央制御コンピュータとたくさんのロボットのシステムが丸ごとクラウドに繋がる感じです。

ロボットクラウド側では、ロボットシステムとして丸ごと集められたデータを、それぞれのロボットのデータとして整理して見えるようにしてあるので、あたかもそれぞれのロボットがクラウドに直接繋がっているかのように扱えるようになったのが、今回の群ロボットシステム対応となります。

f:id:etoamode:20210817184230p:plain

これまでのロボットクラウドだと、ロボットがいて直接それを管理する形でした。

一方、群ロボットシステム対応だと、例えばカスタマーAの、東京という現場にこういうゲートウェイがいて、ゲートウェイがたくさんのロボットを見ているというようなモデルなんですよ。

f:id:etoamode:20210817184255p:plain
群ロボット対応したMODEロボットクラウドのイメージ

そうなると、たくさんのロボットを扱うお客様はIoT化しやすくなったということですか?

そうですね。もともとこのような形で現場で集中制御されているロボットも結構あるので、そういうモデルでも対応できますよ、ということです。従来のロボットクラウドだと、一つの現場にはロボットが1〜2台設置されるパターンだと思うんですけど、新しく対応した設置モデルは、すでに中央制御コンピュータで沢山のロボットを制御しているパターンです。倉庫や工場ではロボットがいっぱい動いているイメージがあるじゃないですか。そういったところにはすでに中央制御コンピュータが入っているので、このパターンがうまく対応できるようになったというわけです。

群ロボットのパターンで扱えなかった場合、そういう倉庫や工場では、そもそもロボットクラウドを使えなかったんですか?

そのままでは難しかったですね。 もともとのMODEロボットクラウドが想定していたロボットは、ロボットがぞれぞれ自分自身で通信する形でした。それが、ゲートウェイが代表してコントロールサーバーとやり取りするというモデルもできるようになった。なので、既存でロボットがたくさん活躍している現場でもIoTができるようになりました。

そういう現場では、すでに使われているロボットのファームウェアを改造する必要がなく済むということですよね?代表する一つのゲートウェイでやってくれるから。

そういうことです。

既存の群ロボットシステムをのIoT化が可能に:開発の裏側

開発で大変だったことはありますか?

MODEロボットクラウドはサービス基盤で、私達はクラウドサービスを作っているので、今後色々なタイプのロボットを管理をするように設計しながら、ファーストユーザーに向けてリリースするのが大変でした。特定のお客様向けに作るだけだったらもっと簡単なんですけど、他のお客様のユースケースも扱えるようにする必要があって、そのための抽象化が大変でした。

特定のお客様向けに作りつつ汎用性も持たせつつ、ということですか?

そうですね。お客様によって使うロボットが異なりますよね。さらにMODEロボットクラウドが直接通信するのは中央管理コンピュータなので、MODEロボットクラウドが認識するデバイスと実際のロボットとで二つのレイヤーがあるんです。

f:id:etoamode:20210817184443p:plain

これをスムーズに統合できるようなモデルを作るのがなかなか大変でした。汎用性を持たせつつファーストユーザーに向けてリリースをするために、今回新しく、汎用性のある「ユニファイド・ゲートウェイ」というのを開発しました。

ユニファイドゲートウェイとはどういったものですか?

今まではセンサークラウドはセンサーゲートウェイ、モビリティクラウドにはモビリティゲートウェイ、ファクトリークラウドにはファクトリーゲートウェイというように、それぞれ専用のゲートウェイを作ってたんです。それを今回から汎用的に使えるゲートウェイを設計し直したんですよね。そして、その汎用的に使えるゲートウェイを使って、汎用的にMODEロボットクラウドに適用させることができたんです!

要するに、今回の開発では、汎用的なゲートウェイも一緒に開発しました。汎用的なゲートウェイの設計を利用して、汎用的なロボットと群管理の設計をしたっていうのは大変でした。

汎用的ということは、MODEロボットクラウド以外の他のソリューションでも使えるようにということですか?

はい。汎用的に使えるように再設計されたのがユニファイドゲートウェイです。さらに、ユニファイドゲートウェイにして良かった点があります。LANネットワークの部分や実際のロボットの部分など、物理世界とソフトウェアの世界で、マッピングする必要があるんですよね。マップというのは対応させるための変換表みたいなものです。 実際はゲートウェイと中央コンピュータとロボットという3つの物理筐体があるのですが、ロボットクラウドではゲートウェイがロボットを沢山持っているように見えているんです。 だからその変換表が必要ですが、本来はそれを作るのが大変。ゲートウェイと中央制御コンピュータの接続が、A社の時はA社、B社の時はB社、C社の時はC社という風にマッピングに従って違う振る舞いをするように作る必要があるんです。でもユニファイドゲートウェイのおかげでそれが作りやすくなりました。

何でもかんでも汎用性を持たせるのは、ソフトウェアの世界ではあまり良くないとされてるんですけど、MODEはこれまでエンタープライズIoTの経験があるので、どこまで汎用化して良いか悪いかという判断はうまくできていると思います。

今回の開発で、ロボットを群で扱えるようになり、なおかつ汎用性のあるサービス基盤を構築するために、新しいゲートウェイがすごく役に立ちました。今後はこれらの技術を生かして様々なロボットシステム対応をスピーディーに提供できるようになります。

既存の群ロボットシステムをのIoT化が可能に:インタビューまとめ

今までMODEは数多くのIoT実装の経験を積んで来ました。その中で、これからのIoTは今よりももっとニーズが多様になることを確信しています。そうした細かいニーズに対応するためには、ユニファイドゲートウェイのような汎用ソリューションが必要不可欠だと考え、今回新技術の投入を行いました。ユニファイドゲートウェイによって、今まで以上に幅広いニーズに応じた多様なデータが収集できるようになり、お客様企業によるビジネスへのデータ活用が一層進むのではないかと感じました。